アニメの歴史

アニメとは、間違いなく日本で有名なものの1つでしょう。平均的な西洋人はミームや「キャットピープル」「ナルト走り」以外にはアニメについてあまり知らないかもしれませんが、アニメには長い歴史があるのです。アニメは単なる漫画ではなく、100年以上の歴史と独自の形態を持つ日本の芸術です。そして、日本の文化や世界の政治、経済を知るための素晴らしいきっかけになっているのです。

草創期

アニメが初めて登場したのは1917年頃のことで、映画館で上映することを目的とした短い無声映画の形をとっていました。しかし、当時のアニメは今のアニメとは似ても似つかず、技術的な限界から、日本の昔話を伝統的な画法で短く語るだけでした。黒板に一コマずつチョークで描いたものを撮って組み合わせるという手法すらとられていたのです。

しかしその後、この伝統的な手法に代わって、セルアニメーション(アメリカから来た透明なセルロイドを重ねたシートに一コマずつ描いたもの)が登場します。とはいえ、セル画は高価なため、第二次世界大戦中、各スタジオは政府の資金援助を受けて、戦争のプロパガンダ映画を作るようになります(例:桃太郎の「海の神兵」)。そして戦後、ディズニー映画の人気が高まると、多くのアニメスタジオが誕生しました。そのうちの1つが、アニメを新時代へと導いたクリエイターたちが集結した東映アニメーションです。

1960年代

60年代になるとテレビが普及し、アニメは映画館だけのものではなくなりました。そして1963年にフジテレビが『鉄腕アトム』の放送を開始したことで、アニメは今日私たちが知るような形になったのです。鉄腕アトムの登場によりシリーズ化されたアニメも生まれ、キラキラした目と物理的に不可能な髪形がトレードマークのキャラクターが登場するようになりました。

 

1970年代

アニメ全体がより確立された存在となったのはこの頃からです。SFは間違いなく最も人気のあるジャンルであり、1974年にはグループ・タックが『宇宙戦艦ヤマト』を放映し、アメリカ中に広まりました。 この時点でアニメは英語圏を中心に世界中に広まり、アニメファンの数も爆発的に増えていきました。

1980年代

80年代になるとVHSが普及し始め、アニメ人気はさらに高まります。VHSのおかげで日本のファンは家庭で容易にアニメ鑑賞が出来るようになり、この新しいメディアはアニメブームをさらに盛り上げました。新しいシリーズものや映画が登場したり、クリエイターが漫画をアニメ化したりするようになったのもこの頃です(『うる星やつら』など)。80年代と言えば、『ドラゴンボール』が誕生した頃でもあります!1986年に東映アニメーションが鳥山明原作のアニメ「ドラゴンボール」を制作し、世界的な流行となりました。現在でも世界中で最も人気のあるアニメの1つです。

90年代とそれ以降

90年代は日本経済の低迷を受けて、アニメ業界にとってはやや厳しい時代となりました。しかし状況が安定し始めると『セーラームーン』が誕生。その後、ダイコンスタジオが「新世紀エヴァンゲリオン」を発表すると、アニメの新時代が再び始まりました。21世紀に入ると『NARUTO』『BLEACH』『千と千尋の神隠し』『ポケモン』などの傑作が登場し、この頃からアニメは西洋文化に完全に溶け込んでいきました。そして『サムライ・ジャック』や『アバター』、『ティーン・タイタンズ』、『パワーパフ ガールズ』など、私たちが観て育った人気作品も次々と登場しました。